もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

アップセットもむべなるかな

リーグ戦の合間の天皇杯3回戦、相手は関西1部を優勝しJFL入りを狙うバンディオンセ神戸。メンバーには元Jリーガーがごろごろしており、元横浜FCの石田雅人も在籍している。侮れない相手であることは明白だったが、あえて控え中心のメンバーで臨んだ横浜は、良いところなく惨敗。
前売りでSA席(バックスタンド中央)のチケットを買ったときから、自分の中にももう一つ緊迫感がない自覚はあった。ましてこうも良いお天気では、キックオフ1時間前に到着してお弁当を広げるとついピクニック気分に。ポカポカ陽気に会場もまったりとした雰囲気は、まるでJFL時代にタイムスリップしたよう。
だからってプレーもJFL時代に戻さなくてもいいのに。
スタメン発表。

   ルイス  富永
吉武  坂井  吉野  崔
小林  太田  室井 岩倉
      小山

控え:広野 中島 吉岡 金澤 滝澤

驚いた。完全にリザーブ組+故障明けルイスの試運転だ*1。ここまで露骨なことをするとは想像していなかった。自分には普段見られない選手たちのプレーが見られることがうれしく、それだけで「今日来て良かった」と思ったが、TVで見ている人や会場の一般ファン、そして何よりバンディオンセの選手やサポーターには残念だったろう。
何はともあれ試合開始。
横浜は普段より守備の意識が少ない。これは相手あってのことなので何とも言い難いが、守備と攻撃のバランスでいえばいつもよりやや攻撃寄りの印象。中央の吉野と坂田坂井はどちらもパサーなので、上手く両サイドを使えれば面白いかなあと見ていたが、吉武は個人で突破しきれず、崔に至ってはほとんどボールに絡めない。それでも試合は互角以上の展開で進む。
バンディオンセミドルシュートで流れが変わる。正面に飛んだのを小山が前にはたき落としたのだが、こぼした距離が大きすぎて相手FWに詰められあわやという大ピンチ。結局ゴールは決まらなかったものの、このワンプレーで会場は明らかに動揺。それが選手にも伝わってしまったのか、この後どうにも消極的で落ち着きのないプレーがところどころに出てしまう。
若い選手が多いスタメンの中で、小山や崔はそんな若手を落ち着かせる役目も負っている筈だった。その小山がミスを犯したのはまわりへの影響も大きかった。普段の「試合巧者」な横浜FCと違い、自信のなさが悪い方へ悪い方へと転がっていく。
攻撃はアイデアが乏しく、富永はくさびにも足元がおぼつかなくて前線で起点とはなれず、結局いつものルイスの個人技頼り。中盤の組み立てでは相手の出足の早さに苦しみ、詰められてもまわりのフォローの声は少ない。こぼれ球は拾えない。守備はサイドを突かれてクロス、クロス。セットプレーのマークも甘く、ことごとく相手に先に触られる。シュートの精度の低さに助けられ、前半はなんとか0-0で終了。
後半キックオフ時点でのポジショニングでは、ルイスと吉武が入れ替わる位置。ルイスはスタートポジションを下げて中盤からドリブルで仕掛けさせた方が良いのはもう何度も繰り返して分かっていることなので、この修正には納得。実際に速攻気味に仕掛ける際はこれが効いてけっこうなチャンスを作っていたが、フィニッシャー不在でゴールを脅かすシーンはそれほどない。一方守備は、相変わらず両サイドから抜かれまくり。ペースを掴めない。
こりゃあだめだ、得点の気配もない。幸いデイゲームだし延長戦も付き合うよ、などと不遜なことを考えていたら、84分、カウンターから左サイドを大きく破られ、グラウンダーのクロスをやすやすと押し込まれて失点。うへえ。
慌てて反撃に出ようとするももう遅い。相手のぎこちない時間稼ぎとは関係なく、パワープレーのクロスさえダフって相手にプレゼントパスするようではいかんともし難い。無惨に敗戦となった。
負けたことが残念なのは当たり前として、何が残念って、これまで出番のなかった若手が公式戦出場のチャンスを得たのに、自分の良さをほとんど出そうともせず無抵抗だったこと。もっとがむしゃらになってほしかった。
雑感を。

  • バックスタンドでの観戦は2年ぶりくらいだろうか。見たことのある顔がちらほら。変わらないね。
  • えげつない野次も相変わらず。人格攻撃もどきには閉口するが、愛の裏返しと無理矢理好意的に受け取る。
  • ゴール裏では「最後の頑張り」みたいなのがより強く感じられるが、バックスタンドでは「愚かなミス」がより強く印象に残る。客観視点だからか、それともまわりの雰囲気か。
  • 主催が日本サッカー協会だからか、ビールのカップが代表仕様のブルー。芸が細かい。
  • 手羽をバーベキュー風に焼いた串を初めて食べる。意外にボリュームがあり満足。
  • 試合はベテラン不在が響いたが、特に山口不在の影響が大きいと感じた。替わりになる選手は見当たらず、この先のリーグ戦に欠けることのないよう怪我だけには注意して頂きたい。
  • 岩倉、小林の両サイドバックには全く不満。個人だけの問題ではないとは思うが、でもやっぱりあれだけやられたらだめ。
  • 太田はあまりに消極的すぎる。マイボールで味方から「上がれ」と手振りで指示されても頑として動かなかった。もうちょっと味方を信頼しよう。
  • チームが浮き足立ったところでも冷静さを失わなかったという点で、坂田坂井を評価している。もうちょっとフィニッシュに絡んでほしかった。
  • 吉武は頑張りは見せたが。使ってくれる選手がいないともう一つ活きないな。
  • 崔成勇は驚くほど出来が悪かった。ミスが多く、早々の交替も致し方なし。
  • バンディオンセはオーソドックスなサッカーをしてきたが、今日の横浜よりは遥かにチームとしてまとまっていた。経験者揃いなので落ち着きもあり、おそらくリーグ戦では危なげなく勝ってきた勝者のメンタリティーをそのまま持ち込んできたのだろう。
  • 試合後、勝ったバンディオンセには横浜FCサポーターからも拍手が送られた。石田がひとりこちらまできてあいさつしたときは、会場からは今日一番のびっくりするくらい大きな拍手が送られた。がんばれ石田雅人。

BSでの中継は録画してあるのだが、まだ見る気にはならない。

*1:オリジナルのチャントがあるのが4人だけ、といえば分かりやすいか。