もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

福岡での中学生自殺に思う

中学生がいじめを苦に自殺したニュース。実際にいじめはあったのかを検証して行くなかで、先生が彼をいじめていたというのが扇情的に取り上げられているようだ。彼の母親が彼についての「あること」を先生に相談したところ、先生はそのことを他の生徒たちに明かしてしまい、それをからかわれたのがいじめのはじまりだった、という。
自分にも似た経験がある。
中3のときの、たぶんホームルームの時間だったと思う。友人と私語をしていたのを咎めた担任は、付け加えるように自分についての「あること」を言った。教室内には失笑が起こった。
担任は学年主任もしているベテランの、豪放磊落な体育教師の典型のような性格――悪く言えばデリカシーに欠ける人――で、そのときも別に悪気があったりからかおうとしたわけでなく、思いついた言葉を考えずに口に出したような感じだった。聞いた方も明日には忘れてしまうような何気ない一言。それでも打たれ弱かった当時の自分にはクラスメイトに笑われたことがショックで、その場で凍り付いたように固まってしまった。
その後いじめられることこそなかったが、一部の女子からは小馬鹿にした視線を投げられたり、陰口を叩かれたのを覚えている。しかも卒業アルバムを作った中心がその女子グループだったので、アルバムのなかにある一人ひとりの印象を記した箇所には、心の傷をえぐるようにそのときのことが書かれていたりもする。
大勢のなかでいじられると対処できずに固まってしまうのは、今でもたまにある。ちょうどこの前の飲み会で先輩にやられてひどく落ち込んだばかりだ。
その担任は面倒見のいい教師だったが、そういう面ではまったくいただけなかった。家庭訪問の際にはうちの母に陰口の件をバラして追い打ちをかけてきたりもした。親に向かって子の目の前で「おたくの子はいじめられています」的なことを言うのが、子にとってどれだけいたたまれないか想像もできないのだろうかと呆れたものだ。
そんなことがあったから、今回の件の教師もそういう人だったんじゃないかなと想像した。
いまネットでニュースを探してみてみると、どこもかしこも過去の発言まで遡って「その教師がいかにひどい人物か」を競って書いている。バカじゃなかろうか。個人攻撃でさらし上げ悦に入るのは報道とはいわない。
この事件を取り巻く出来事を非日常なイメージで括ってしまうのは違うと思う。からかわれて笑っていられる人間ばかりじゃないということを、特に微妙な年代の子を相手にする教師には知っていてほしい。この事件から学ぶのは、そういうことであってほしい。