台風をものともせず、行ってきた今季三ツ沢ラストゲーム。対戦相手は大宮アルディージャ。既に降格が決まってモチベーションが微妙なうちと、今が土壇場で尻に火がついている大宮とでは、残念ながら難しいだろうという予想はあった。
それよりも、報道で伝わった社長の発言が物議をかもしているタイミングだったから、一サポーターとしても無反応ではいられない、そこに身を置きたいという気持ちの方が強かった。
虚しく響く「AS ONE」
スタジアム到着は割と早かったんだけど、みんな風雨を避けてスタンドには行かず、屋根の下で時を待っていたからあんまり関係なかった。普通においしい富士宮やきそば*1を食べながら、メールでスタメンを確認。滝澤と三浦淳が揃ってスタメンに名を連ねているが、左サイドはどうするんだろう。カタタウはMF登録だから右かな。センターバックには秋葉。試合がはじまってみるとこんな感じだった。
カズ アツ カタタウ 滝澤 根占 山口 中島 早川 秋葉 山田 菅野
選手が練習に出てくる頃を見計らってスタンドへ。
今日の応援はいつもと違う。選手があいさつしに来たときも、スタメン紹介のときも、コールはなし。代わりに「坂本ヤメロ」コール。試合中はずっと「三ツ沢の歌」をエンドレス。あとは各々が拍手や手拍子を送ったり、声を上げたりするくらい。選手へ直接まとまった声を送ることはなかった。前半、それを間近に背中で受けていた菅野を見て、聞こえているだろうか、とか考えた。
とはいえ、試合が始まってしまうとどうしたって入れ込んでしまう。良いプレーには拍手してしまうし、不満は声に出る。そんな感じは周りにもあって、例えば目の前でゴールが決まったら、やっぱり歓喜の声があふれてしまうんじゃないかと思った。結局はノーゴールに終わったのでそれは確かめられなかったのだけれど。
試合はお互いにチャンスを作り合うものの、ミスも多い、下位同士の試合。
横浜は右サイドにポジションしたカタタウのドリブルが面白く、三浦淳もようやくスピードの乗った攻撃をみせていた。だが、どうしても繋ごうとしてしまうのか、後ろの組み立てで引っかかる場面が目立ち、なかなか縦に早い攻撃ができないのがいつもながらもどかしい。
大宮はデニスマルケス（今調べてはじめて名前を知った）をポストにして攻めるオーソドックスなサッカー。横浜のセンターバックは割と上手く抑えていたと思うが、何でもないクロスを森田に合わされてしまうなど、高さの不利は守備面、攻撃面の両方で感じた。
失点は前半39分。左からクロスがDFの頭に触れないくらいの良い高さで飛び、クリアできずに逆サイドまで行ったところへ、詰めていた小林大悟にちょんと浮かせて越える上手いシュートで決められた。
ハーフタイムにはじめて席に腰掛けると、なんだか寒いらしいのに気付いた。自分はポンチョの下にもう一枚重ね着していたのでそれほどでもなかったが、周りでは寒い寒いの声。向かい風なのか雨粒が顔に当たってびしょぬれだが、眼鏡の水滴を拭うほかは何も抵抗せず濡れそぼっていた。
後半は交替した選手がそれほど活きず、最後の方はほとんど攻撃らしい攻撃をさせてもらえず。手前ゴールでの興奮するプレーもほとんどなかった。0-1で敗戦。
試合終了と同時に、ゴール裏には「坂本ヤメロ」のゲーフラが掲げられた。
選手たちがやってくるのと同じタイミングで、坂本社長がやってきた。選手を横に待たせたまま*2マイクを片手に何か話していたが、強風にはためく横断幕とブーイングにかき消されて何も聞こえなかった。発言をニュースソースとして読んだ時点ではいたって冷静*3だったのだが、顔を見たら急に感情が高まり、試合に負けた鬱憤もいっしょくたになって声に出た。
降格したことに怒って「責任者出せ！」と言っているわけじゃない。それはサポーターにも責任はあるのだから、それを言うならお互い様だ。
このクラブがまだまだちっぽけなクラブだということに、否応なく気付かされた一年だったはず。自分は、来季戦うカテゴリーは落ちるけれど、クラブはこれをだって糧にしてステップアップできるはずだと思っていた。なのに、それを省みないと言うから怒っているのだ。
驚くほどあっさりとサポーターの前に出て来たことには驚いたが、発した言葉はあの場所では伝わるはずもなかった。別の機会があればいいなと思う。
「ヨコハマ」コールで締め、「早く帰ってシャワー浴びよう」の言葉に押され帰り支度を始める。
行動に出したら少しすっきりした
ポンチョからはみ出していた膝から下は、濡れてひどく重くなっていた。歩き方はなんだかおもらしした子どもみたいだ。雨はますます強くなる。バス待ち列には並びたくないなあ。一度は脱いだものの、強風に傘をさすのは無理とかぶりなおしたポンチョ姿で横浜駅まで歩く。
身体を拭く場所を求めて地下鉄入り口へ行くと、でっかい段ボールを抱えて階段を下りようと四苦八苦している女性がいたので、何の気の迷いか「手伝いましょうか？」などと声をかけてしまう。ひどい言葉をかけた後で、良い行いで帳尻を合わそうとでもしていたのかもしれない。
すき家でメガ牛丼おしんこセットを食し、帰宅。シャワーを浴びる間もなくぶっ倒れて眠ってしまった。
