もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

今日の結果を求める気持ちは後ろめたさになるか

産みの苦しみと言えば聞こえは良いが、こういう試合が続くと心躍らないこと甚だしい。
アビスパ福岡戦をTV観戦。スコアレスドローの結果から想像できるとおりの、見所の少ない試合だった。
外でのんびり昼食を摂っていたら、危うく試合開始時刻を過ぎそうになってしまった。帰宅してTVの前に座ったのはキックオフ5分前。既に放送は始まっていた。
スタメン発表。

   池元 ヨンチョル
滝澤          カズ
    八角  山田
アツ  吉本 エリゼウ 吉田
      小山

U-19代表に選ばれたヨンチョルがFWに。カズが右ハーフ、山田が中央に入ったのは、根占の怪我もあるらしい。
福岡の篠田監督が画面に映る。この人、都並監督とどことなく似たものを感じる。

パスを回す回す〜シュートは打てず

試合開始。両チームとも早い時間からシュートを打って、積極的な展開になるのかと期待させる。いつもより前への集まりが早い横浜が若干優位な立ち上がり。
心配していた大久保とハーフナーの大型2トップには、楔への対応にもしっかり入って良さを出させない。中盤の底から山田と八角もこの二人のケアに入る。クロスの精度の低さに助けられる面もあったが、自陣でセットプレーを与えないのも良かった。ビルドアップでも、福岡は前から追って来ないので、落ち着いて回したい横浜にとっては願ったり叶ったり。誰ということでなく、多くの選手が局面で落ち着いたボールコントロールが出来た。DFラインが下がらないことで、中盤も高い位置を取れるのでクリアボールをよく拾える。福岡の攻撃が上手く行かない様子は、まるでうちが上手く行かないときのようだ。出しどころ無くスピードが上がらない。
…のだが、横浜はシュートをまったく打てなくなってしまう。ボールは回せているが、ラストパスがあとちょっとのところで通らない。前半のシュート数は2本。

渡した流れをせき止められず

後半は福岡ペース。横浜は中盤での運動量が落ちているし、福岡の選手に1対1で競り負けることが多くなる。特に両サイドは脆く、度々深くまで侵入される。11分にはタレイに替わって中払が入ると、それも良い方向へ作用しているようだ。
18分、横浜も池元から難波に交替。いつものように前で競って時間を作りたいところだが、良いボールが入らず効果は見えない。23分にはカズから須藤への交替。福岡も久永から田中。選手交替の駆け引きがめまぐるしい。
そんなバタバタしたなかで、アツが得意の切り返しからミドルシュートコーナーキックからエリゼウのヘディングシュート。決めたかったところだったが。
福岡もハーフナーが上手く反転して抜け出しシュート。小山が辛うじて触る。ペースは奪えない。
開始直後と同じように90分やれとはもちろん思わないが、対戦相手との比較で横浜はいつも疲れが早いように感じる。フィジカルコンディショニングは問題ないのだろうか。「食育レオック」としてはよろしくないんじゃないだろうか。ともかく、ピッチ中央はかなり間延びしてくる。横浜はいつものことだが、福岡もそう。この日の暑さが災いしているようだ。33分福岡は城後から工藤。38分横浜はヨンチョルから御給にそれぞれ交替。
下位に低迷するチームらしく、決めきれない福岡と、相手の流れを止められない横浜。カウンターからのチャンスもわずかで、横浜が勝つ見込みはかなり薄いと感じる。
後半ロスタイム、中島の低い弾道のフリーキックが誰かの後頭部に当たってゴールネットを揺らされたときには「またか」と思ったが、判定はオフサイド。助かった。
そのまま試合終了。スコアレスドロー。スタジアムはとても不満気な雰囲気に包まれていた。
シュート数はトータルで6対12。少ないよ。特に前半がひどい。最後のアイデアがないのは、そういう選手がいないから? できる選手がいないわけではないと思うのだが。キープするためのパスは上手くても、相手を慌てさせる意外性のあるパスは少ないんだよなあ。たぶんそういう練習が足りないんだろう。
課題を再認識する以外に収穫の乏しい試合だった。チーム再建の途上とはいえ、プロフェッショナルの興行なのだからもうちょっと楽しませてほしい。

我慢はするが、我慢だけでは保たない

サッカーダイジェスト10月28日号の「横浜FC『核』を欠いた代償」という記事で、佐藤拓也氏は広島戦での善戦を例に「試合を重ねるたびに形になっている」と楽観的な見方をしている。継続が大事なのは同意できるし、拙速に結果を求めるだけでは未来がないのも分かる。だが、その過程でチームに負け癖が付いてしまうのも問題だろう。そして、興行的にも。
Jリーグ公式サイトで公開されている観客動員を見たが、今季のそれはひどいもので、J2降格の影響だけと言うのは無理があるほどの惨憺たる状態だ。J1に定着するためにはチームの在り方と同様に、クラブの体力、財政状況が大事だというのも分かったはず。景気悪化でスポンサー収入にも懸念があるなか、また見に来たいサッカーをピッチで見せるのは最低限のことだと思う。
今の横浜は、友人を誘うのに躊躇させるようなサッカーだ。少なくともチケット代はこちら持ちでないと申し訳ないくらいに。
この記事のような見方がサポーターのなかにも既にあって、スタジアムに行くと雑談のなかでそういう話もよく聞こえる。「いつか都並監督と笑えたら、と夢想する自分もいる」と。試合前の選手紹介で、都並監督には今でも拍手が送られている現実。それは僕のなかにもある。
ただ、そういう考えが支配的になったらおしまいだとも思う。今季の戦力がこの順位にいる程度でないのもまた事実で、土台作りだからと許容するにはまったく物足りない成績だ。「時間がかかってしまった」と認める監督のプランでは、果たしてあとどれくらいかかるのか。降格のないJ2だからと言って結果はどうでもいいわけではあるまい。
何だかまとまらないな。
求めたい自分と、求めることへの罪悪感を感じる自分。こういう葛藤もサポーターならではの醍醐味なのかも。