もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

水曜日の手応えはフロックではない

11節サンフレッチェ広島戦をスカパーで観戦。水曜日のFC東京戦の勝利は大きな喜びだったし、確かにこれまでにない手応えを感じたけれど、強力2トップの広島を相手に無失点での勝利は正直なところ予想していなかった。
試合直前にJ'sGOALのプレビューを読むまでは高木監督と久保が古巣との対戦であることすら気づかないほど、横浜のことだけが頭を占めている。勝てないチームのサポーターなんてこんなものか。気づいたらなんだか凄く不安になってきた。こういうときは迎え撃つホームチームの方があっさり勝ってしまいそうな気もしたからだ。放送でも冒頭はそんな話だった。
スタメンは中2日にも関わらず、ほとんどが水曜日のままのメンバー。右サイドバックが智吉から和田に、センターバックが太田から早川に替わっただけだった。「勝ったら変えない」がセオリーとはいえ、山口や小村、久保がベンチというのは思い切った決断だと思った。

    カズ  難波
滝澤  吉野  鄭   内田
中島  早川  室井  和田
      菅野

試合は大方の予想通り、広島が攻め、横浜が守る。横浜は守備一辺倒とはいえ、それが一番悪かった頃に比べてもバタバタしないというか、割り切りが良いというか、集中力がどこか違うような気もした。相手がバックラインで回しているときに奪いにいかないのはずっとそうだが、難波とカズの2トップはまったく何もしないわけではなく献身的にパスコースを切っていて、もしかしたらそういうチーム全体の意思統一が違うのかもしれない。そこは昨季いたメンバー中心だからというのもあってのことかもしれない。
あるタイミングでふと時計を見ると、まだ15分だったのには驚いた。まだたったの15分かと。解説の田口さん(あのとんねるずといっしょにやっていた元代表GKの田口さんだ。なんと懐かしい)は「これが90分保つとは思えない」と言っていた。よくある表現で大概の人は同じ感想を持つのかもしれないが、でもこの言葉には違う感想を持った。横浜はこれを当たり前に90分やるんだよ。この辺がこのチームのサポーターならではなのか。
チャンスらしいチャンスもない23分、広島のDFライン(戸田?)が不用意なところを滝澤がチェックして奪い、すかさず低いクロス。裏へ飛び出した難波が落ち着いて流し込み横浜先制! 思わず声を上げた。なんとこんな早い時間に先に得点できてしまった。おお! 難波は、ウェズレイがよくやる「矢を射るポーズ」を三度繰り返したあとそれを膝でへし折る憎らしいゴールパフォーマンス。もちろん三本の矢はサンフレッチェ広島のことだ。向こうのサポーターには頭に来るだろうな。滝澤はまたしてもツボを付いたアシスト。広島はリードされるなんてこれっぽっちも予想していなかったろう。
得点は動いても試合のペースとしては変わらず、広島が攻めて横浜が守る、守る。
42分、菅野のロングキックのこぼれを拾ったカズが左でフリー。選択肢も他になかったろう遠めの位置から思い切り左足でシュート。これがGK下田の頭上からずどんと落ち、ネットを揺らした。うそみたいな凄いドライブシュートで横浜が2-0。おいおい、本当かよ! これ以上ないおいしい展開で前半はそのまま終了。
2点リードはもちろんうれしかったが、これで後半に逆転されたら洒落にならないよと、期待と不安が半々くらいの気持ちで後半。勝ててないチームのサポーターなんて――。
後半になってもやっぱりペースは変わらず、広島が攻めて横浜が守る、守る、守る。横浜の守備意識は時間とともに増していくようだった。
広島の攻撃は確かに怖いのだが、前知識がない者の目から見ると単調でもあった。右サイドの駒野と佐藤寿人ウェズレイの2トップが個人技でというのが多く、それ以外の選手が有機的にからむシーンはあまり目立たず、抑えどころ以外からの決定機は少なかったんじゃないか。もちろんそれでも決定機は多く、運に助けられたとも思うけれど。
盛田を上げてきたところでは小村(小村も元広島だったんだね。ぜんぜん気づかなかった)を投入して対応。追加点より時間を費やすことを考えたプレーも功を奏してそのまま逃げ切った。
リーグ戦で勝ち点3だよおい!
実況アナの「90分間(自らの戦術を)完遂した横浜FC」の言葉に、むしろ誇らしい気持ち。やり遂げた選手たちに大いなる拍手。
カズがインタビューで言っていたとおり、点が取れないなかでFW二人が取った2得点は大きい。90分走り回って試合後は立てなかったほどの難波のがんばりと、DFラインで驚くほどの存在感を示した室井に、個人的には特に強い印象が残った。古巣相手に出たかったはずの久保を差し置いて先発フルタイム出場した難波は、今のチームにあって彼の存在感を示したんだと思う。それを意図したわけではないが山口を休ませられたのも、良い方に取っておこう。
次節は最下位を争う大宮との対戦。場所は駒場。どうにか行きたいな。