もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

ついにJ1で戦うシーズンが始まった

待ちに待った開幕戦は、オウンゴールで失点するも久保のスーパーなゴールで追いつき、そのままドローかと思われた残りわずかの時間に勝ち越される悔しい敗戦だった。終始相手に押し込まれる展開だったものの、去年みせたハマナチオを継続した守備重視の戦い方は大きく破綻せず、失望ばかりの内容ではなかった。
次はダービー。あそこには負けられない。
記念すべきJ1横浜の緒戦の相手は、昨年チャンピオンの浦和レッズ。噂に聞く大アウェーで迎える開幕に前日から興奮気味だったものの、無理に早寝して当日に備える。
今回は初のバスツアー参加なので朝が早い。6時に起床、7時に出発。8時に集合場所へ到着してみると、土曜日のせいか他にもいくつもの観光ツアーがバッティングしていて道は人とバスで入り乱れていた。「自分で探して乗ってくれ」と言われて右往左往。ようやく見つけて乗車してみるとどうやら自分が最後だったらしかった。8時半発車。車中には横浜FC関連の番組を編集したVTRを流して頂き、スーパーサッカーの久保インタビューに爆笑、2時間強の道行きもあっという間だった。
話に聞いたとおりまわりに何もないスタジアムへは11時到着。さっそく開門待ちの列に並び、横浜で買っておいたシウマイ弁当をがっつき、新聞を読んで時間を潰す。まわりではTVのインタビューに答える人など、和やかな雰囲気。
12時45分、かなり厳格に隔離されて入場。手荷物検査――「ビン、カン、赤いもの、ボーダフォンの携帯電話は持ち込み禁止で〜す」――も。試合運営の隙のなさには率直に感心した。
前座にスポーツ少年団の試合。大久保vs野田。どちらも上手い。大久保では一度オーバーラップしたセンターDFの動きが目に留まった。野田は体格のいいセンターFWがずば抜けていて、自分の得意な形――ちょんと出して体の逆から追い抜く――から何度も決定機をつくっていた。みんなプロ用の芝での試合にボールが走らずかなり手こずっていたけれど。
選手が練習に出てきたあたりから、スタジアムに大音量の音楽が流される。あまりのでかさに辟易。耳が痛くなるほどの大音量はアウェーサポ撃退には効果的かもしれないが、自分たちがあれだけ鳴らしておいて「騒音を出すな」と注意する厚顔さ。感心したのは取り消し。
スタメン発表。

      久保
      奥
滝澤  山口  鄭  薮田
和田  早川  小村 智吉
      菅野

キャンプ情報に聞こえてきた4-1-4-1ではなく、慣れ親しんだ4-4-2。ワシントンの下に2人置く浦和にはワンボランチよりこちらの方が良さそう。浦和に在籍していたこともある早川にはちゃんとブーイングしていた浦和サポ。まあ試合が始まってからは他の選手へのブーイングに忙しく忘れてしまったようだったが。
控えGKは小山。カズ、内田、難波、新加入のブラジル人3人も揃ってベンチ。
浦和は闘莉王がいなくて、阿部が最終ラインに。左サイドには上手な小野でなく仕掛けてくるタイプの相馬。こちらのほうが余程厄介。
試合開始。
横浜は最初から守備意識が強く、浦和が攻める形。ただし、ブロックを形成して待ち受ける横浜に対する浦和の仕掛けとしては、小野からワシントンへの楔のパスと、相馬の裏を狙う動きがそのほとんど。ブロックの外で回しているときは特に、アイデアのある選手と無い選手の差が激しい。この辺りは上のカテゴリーといってもそんなに劇的に違うわけではないようだ。違いはパススピードで、バケツリレーのように隣へ、隣へと渡すサイドチェンジにしてもスピードははっきり違った。
ワシントンには小村、早川がファール覚悟で当たりにいき、自由に仕事をさせなかった。これはいい。問題なのは相馬の突破を横浜の右サイドが止められなかったこと。智吉は開始5分でイエローカードをもらったうえに、数的優位をつくれず1対1での対応を迫られる場面を多くしてしまった。
25分、相馬ポンテのグラウンダーのクロスがゴール前を通過していくのを、クリアミスしてオウンゴール。ミスでの失点は痛かったし、このところ点が取れずに苦しんでいた相手を楽にさせてしまった。
横浜の攻撃は、山口が昨年と変わらぬ落ち着いたプレーで試合を落ち着かせる。巧みなキープ、見事な戦術眼。リズムの変化をつける。両サイドからは薮田、滝澤がそれぞれの良さを出してチャレンジしていく。だが、チームとしての攻撃はままならない。特に新加入した選手ばかりの前は連携が拙く、お互いの動きもまだまだ分からない様子。守る時間が長いせいでカウンターの場面でも人数が足りず、シュートまでもっていくことがほとんどできない。
前半も残りわずかの時間、久保があり得ないスーパーなロングシュートを決める。左足で思い切り蹴ったボールは、キーパーのジャンプも届かずゴールネットへ突き刺さった。あまりに突然の出来事にゴール裏はパニック状態。追いついたうれしさは勿論、あり得ないゴールを目にしていつも以上にはじけてしまった。前半は1ー1で折り返し。
後半は、追いついた勢いから少し盛り返すかなと期待していたものの、前半とそれほど変わらない展開。しかも時間とともに徐々に押し込まれていくが、菅野が素晴らしいセーブ連発で失点はしない(浦和サポのブーイングを意にも返さない頼もしさ)。クロスは再三上げられても中央では弾き返す、といういつもどおりといえばいつもどおりの守り。
攻められ続けた疲れからかクリアボールがまったく拾えなくなると、さすがに見ていて落ち着かなくなってきた。変なこぼれ方でもしなきゃいいと思っていた。後半40分、ゴール前の密集でピンボールのように暴れるボール、クリアしきれなかったのを永井に決められ失点。
試合終了。
試合後に選手たちを迎える。選手たちの顔はあまりよく見えず、ショックの度合いは確かめられなかった。
集合時間も迫っていたので早々にバスへ戻る。ひどく疲れていた。試合展開もそうだし、まわりから受けたプレッシャーもあったのかもしれない。気張り過ぎたのもあるんだろう。どこか呆然として、声も出したくないような感じだった。それでも気持ちはそんなに悲観的なふうでもなかった。「お疲れさま」「惜しかったね」「これならやれるよ」周りで聞こえる声も、悔しさの入り交じった、でもどこか前向きな言葉が多かった。
バスで横浜までは2時間弱。電車に揺られて1時間。駅近くの店で豚どん(並)で腹を満たし帰宅。家族はNHK総合でやっていた生中継を見ていたそうで「いい試合だったね」との感想。24時からのスーパーサッカーでは久保のゴールが繰り返し繰り返し流れた。

  • 受け過ぎた感はあるが、浦和相手に最後まで勝ち負けを争えたのは収穫だったと思う。悲観する内容じゃない。が、相手チームは不調、リーダー闘莉王不在を考えると、あそこまで一方的にやられてしまったのでは楽観もできない。
  • J2を制した守備力は、ここでもそこそこ通用する目処が立ったとは思う。
  • 久保の得点力は期待以上でワクワクするが、問題は城とのプレースタイルの違い。プレーが常にゴールに直結する動きなので、キープしたりファールを貰ったりして時間をつくることは少なくなりそう。あまりに「攻められっぱなし」になるのも辛いので、ポゼッションする方策も必要かもしれない。