もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

vsサガン鳥栖

席割が変わってゴール裏とバックスタンドが分かれた今年は、自分が行くゴール裏席の入りがどの程度か分からないので念のため少し早めにでかけた。青くペイントされた赤い電車*1に乗って横浜へ。行きはいつものようにバスに乗り、三ツ沢スタジアムへ到着したのは12時半頃。
入り口でマッチデープログラムなどの入った袋をもらう。通り過ぎてからふと振り返ると、手渡しているのはスーツ姿でキメた今日出番のない選手たちだった。ホーム開幕戦なのだから予想しておくべきだった。ぼーっとしていて誰からもらったかすら分からないよ…。
グッズ売り場で毎年買っているオフィシャルイヤーブックと卓上カレンダーを購入し、スタンドへ。久しぶりの青い芝を見て、やっぱり三ツ沢最高!とか思いながら、去年とだいたい同じらへんの席へ腰掛ける。キックオフ1時間以上前では、メイン、バックとも去年とさほど変わりない入り。みんな金持ちだなあ。
さっそく購入したイヤーブックをパラ見する。開き方が今までと左右逆になってたり、写真が多く読み物記事が少なかったりと雰囲気は一新。どちらかというと読み物が多い方が好きなのだが、まあかっこ良くはできてると思う。作成はパラドックス・クリエイティブ(404エラー|ブランディング、CI、スローガン、会社案内 作成 PRDX・ブランディング / クリエイティブ)で、印刷はおなじみテンプリント。もらった袋には他に「月刊サッカーズ toto特別号」「EL GOLAZO toto特別号」と結構豪華。マッチデープログラムはえらくすっきりし、横浜デジタルアーツ専門学校作成ではないようだが、もしかしたら足達監督のインタビュー記事でもあって慌てて差し替えたのかもしれない。
試合前に簡単な開幕セレモニーがあった。まず全選手が背番号順に登場したので拍手すると、ゴール裏はまったくの沈黙で迎えたので驚いた。応援しないといってもそこまで徹底するとは思っていなかったのだ。そういうことならと、その後は自分も拍手せず声もかけなかった。周りではけっこう拍手する人もいたけど、例えば今日を楽しみに来た家族連れが楽しんでいるのを邪魔する理由はもちろん無く、結果、なんとも微妙なスタジアムの雰囲気になっていた。
さすがの遠さで多くはない人数だったものの、鳥栖サポーターが歌うチャントが何とかサッカースタジアムらしさを演出していた。相手である鳥栖には何だか申し訳ないような気もした。
奥寺社長のあいさつは、ちょっとないくらい静かな中で行われた。ゴール裏は歌わないだけでなく、ブーイングもやじも飛ばさずただ沈黙だった。
スタメン発表。

    カズ  城
 ルイス 山口 吉野 吉武
中島 鄭 トゥイード 智吉
      菅野

試合前、ジャンルカこと富樫洋一氏への黙祷が捧げられた。アナウンスに驚いている人もいたが、確かにテレビなどでは氏の果たした役割に見合うほどには伝えてないような気がする。
試合開始。
始まってみると、横浜のシステムはオーソドックスな4-4-2、中盤がフラットであるのが分かる。プレミア好きな高木監督ならさもありなん。両SHを使う意図がはっきりしており、連携に難のあったルイスも1対1での勝負ならそのテクニックで見せ場を作れるかも、なんて感じる。
まず機能したのは逆サイド。右SB・智吉が持てることもあって、吉武が縦のスピードで勝負する形が何度も出る。横浜FC創設以来の伝統の形は、選手たちから迷いをいくらか消すことができたようで、意外にも横浜がちょっと優勢に試合を進める。早々に城が胸トラップからシュート。吉武がドリブルシュート。
鳥栖は奪うとサイドを広く展開する。ルイスが中へ絞っていることもあり、逆サイドへ振られると圧倒的に数的不利な状況になりがちで、スピードのある鳥栖の攻撃にはヒヤリとさせられる。今日もやっぱり菅野のファインセーブと、鳥栖の拙攻――トップへのフォローが一歩遅い――に助けられた部分も多かった。山口の的確なフォローや、20分頃からはベンチからの指示かルイスのポジショニングも修正されて、左サイドの守備は少し向上。0-0で終わったが満足の前半だった。
後半は修正してきた鳥栖が押し戻す展開。サイドへのランニングも増え、フォローも早く中盤でより拾ってくるようになった。だが今日の菅野は素晴らしく、枠を捉えたシュートをことごとく防いでみせる。DFもよくカバー。攻撃はルイスが積極的に前に出る機会が増え、ドリブルとパス交換で突っかけるのが見ていて心地よい攻撃に、思わず立ち上がったり頭を抱えたり。交代で入った北村、内田も攻撃にアクセントを加えてスタンドを沸かせる。前掛かったのをカウンターされあわやというシーンをつくられる。
結局スコアレスドロー。しかし、満足感のある試合だった。最後にあいさつに来てくれた選手たちへ、ゴール裏は最後に拍手を送った。
いつものように箇条書きでまとめ。

  • 前節があれだったのでその反動もある。結果も引き分け。でもよかった。
  • 今日の個人的MVPは菅野。少なくとも5本は止め、ミスはなし。
  • DF、MF、FW、交代出場したすべての選手に、6点以上をつけたいような試合だった。
  • 鄭の人に強いところ、シュートに体を投げ出せるのを見て頼もしく思った。
  • 智吉は前半は出し手として、後半はドリブルでの攻撃参加で見せた。
  • ボランチはバランスを取るのに注力していたが、ほぼ崩れなかった。後半ラストだけスタミナ切れっぽかったが。
  • とは言え、パス交換しながらゴール前に切り込んでいく山口素弘の姿はたまらなかった。加入してから初めて見たような気がする。言い過ぎか。
  • 吉武のスピードはかなり効いていた。横浜の流れをつくった今日のキーマン。
  • ルイスは見違えるような出来で、時間とともに自信を得ていった。若いから乗せるとどんどん良くなるかも?
  • 城はさすがチームの中心という存在感。サイドに流れて起点にもなった。
  • カズは城へのフォローの早さに感心。さすがにそういうところは鋭い。守備も献身的。
  • 北村はらしいランニングでボールを引き出した。こうでないと。
  • 内田はどこか悪いのかと思ったらそんなことぜんぜんないね。右サイドの攻撃的役割として、テクニックを駆使して惜しい場面を何度もつくった。
  • 富永は相変わらずの高さだが、いかんせん時間が。でもこういう使われ方は多いだろうからまず試せたことは良かったか。
  • 外せないのは審判。主審、副審とも安定したジャッジで試合は全く荒れなかった。主審はやたら止めずにプレーを見て流すのが上手く、試合を引き締めた。なんとイエローカード1枚だけですよ!

難しい中で選手はよいパフォーマンスで応えてくれたし、前途を明るくしてくれる試合だったと思う。正直なところ、鳥栖の初戦での評価から今日は0-2、0-3くらいを覚悟していたのだ。チームはシンプルな方法で立て直しを計って、まずまず成功したと言えるのでは。