もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

今年は育成の年

漸く体調も戻ってきたので、遅ればせながら新体制発表会の様子を探して読んだり、今年初めて買ったEL GOLAZOの練習初日レポートを読んだり。どうやら今年の横浜FCは、来年以降の「勝負」に向けての助走の年のようだ。
昨季は守備の安定という成果と、得点力不足という課題があからさまになった年だったが、今年の補強を見るとどうもそれを補う思想が見えない。
前シーズンの失点を半分近く減らすことに成功した守備は、DFラインがそのまま残留し、貴重な控えだった河野も完全移籍で獲得。薄かった両サイドは、重田、智吉が長期の怪我から脱しつつある。加えて富永、貞富と長身選手二人を獲得した。そして、守護神GK菅野が残留。
足達監督は会見で、守備システムを昨季ペースでいくと明言しているので、よほどのヘマをしない限りは昨季並みの結果を出すだろう。
気になるのはやはりマシューが抜けた中盤の守備だが、これは個人の能力よりも戦い方。2ボランチならバランスで解決できるし、1ボランチなら一人は守備に専念できる。もともと高いDFラインで守る戦術なので、中盤は追える選手であれば問題ないだろう。いざとなれば河野をマンツーマンで使ったりもできる。
一方攻撃は、不安要素がいっぱい。
昨季の横浜FCといえば、とにかく「引き分け」に尽きる。22引き分けと、実にシーズンの半分を引き分けたのはひとえに得点力不足が原因だった。チャンスはそこそこ作るものの、シュートを打てない、枠に飛ばない。戦い方が悪いのではなく、選手個々の資質の問題に見えた。
じゃあそこは補強できたかというと、補強どころか戦力ダウンだ。
今オフ、全42得点中8得点(城と並んでチーム得点王)のマシューと7得点の臼井が移籍で、ゴールへの積極性を見せたベテランFW眞中靖夫は引退で、それぞれチームを去った。今年のFW登録選手は、昨季わずか8得点の城、2得点のジェフェルソンと北村、0得点の久保田とその他新人たちである。誰が点取るのよ。
おそらく城はまた怪我に泣かされて、10得点前後がいいところだろう。ジェフェはそこそこやるだろうが、やはり10得点がいいところか(あの不正確なヘディングが劇的に成長しているとも思えない)。北村や久保田ほか若手に期待するところは大きいが、もちろん今から計算はできない。
では王道は捨て、2列目以降の攻撃参加で何とか打開できないのか。ここで「人数多すぎ」のMFへ話が移るわけだ。今年の鍵を握るのは、やっぱりMFなのかもしれない。ここは主力の多くが残留したのでベースはそのまま、新戦力も多くバラエティだ。
まず、臼井の穴がどれだけ埋められるか一樹。臼井のように自らゴールを決めることは期待しない方がいいかもしれない。それより右からのクロスを城・ジェフェに合わせる形でチャンスメイクに期待。
そして、マシューに変わる外国籍選手シルビオ。マシューとは違いタッパもないので、セットプレーでは得意のキックで直接ゴール。インプレーからの攻撃参加、自らゴールを狙うシーンが数多く見たい。
しかし実は、個人的に昨季物足りなかった選手に期待している。それはまさかのノーゴールに終わった大友と信義だ。元々前目の選手で、試合中もよくシュートを放っていた両者。今季は得点なしなんてことのないよう、シュート練習に励んでください。
こうして考えてみても、昨季以上の得点力を期待するのは難しそうだ。守備を第一に戦い、カウンターかセットプレーで得点を狙う。こんな戦い方が想像できる。去年に引き続き、煮え切らない気持ちのまま帰路につく試合も多くなりそうだ。
監督の采配についてはどうか。スカパーの再放送で、昨季の前半、ある時間帯に早川とトゥイードの2トップを試みている試合をみる機会があった。リティは点を取るためにいろいろと(強引な手も含めて)やっていたが、足達監督は会見で「ときには勝ち負けより」云々という話もしており、リティのような奇をてらった戦い方はあまりしないのではないか。策を弄するよりオーソドックスに戦う、といういみでのコメントだったのではないか、とも思えてくる。自分の信じる方法で変えずに行くのはいいが、負けが込んでも頑に続けるのは、時に反感を抱かれるので注意してほしい。
最後に順位について。目標は5位だそうだが、無難な順位とは思うが野心は見えない。上位2チームがJ1へ上がり、JFLから2チームが加入した状態で、今年の位置なら6位。一つ上なら目標の「5位」だ。そう考えると消極的な目標と言わざるを得ない。
若手の成長を促しつつ守備的に戦って勝ち点を拾い、昨季程度の成績で乗り切ろう。そんな計画が透けて見える。