久しぶりにニッパ球へ戻ってのホームゲーム、栃木SC戦。3-0で快勝。
多摩大学企画のイベントでスタジアム内はどこも程よく朗らか。17日に事故で亡くなった奥大介への献花台に捧げられた多くの花。
スタメン。
左SBは#32永田(#27中島が怪我とのこと)。#2野上が右SBで、CBで#4ドウグラスとコンビを組むのは#36松下裕。ボランチには頼りになる#17アンヨンハ。トップに#9黒津は前節を見ていないので楽しみ。
黒津が遠目から積極的にシュートを放つなど、試合開始から横浜のペース。10分、左サイドからのFKがゴール前で混戦になり、ヨンハが放ったシュートは防がれたものの、黒津が詰めて横浜が早速先制する。早い時間に失点して流れを渡すことが多かったが、逆の立場ではベテランの多いチームの落ち着き、試合巧者ぶりが活きる。
インプレーでの得点力に難がある傾向が、この日は感じられなかった。早々の得点で気を良くしている黒津や#24松下年が高い位置からよく追い、中盤にアンヨンハがいることでルーズボールも拾えていた。最後方の松下裕からのビルドアップも機能していた。
守備ではやはりヨンハが目立つ。危ないところでは常に彼が顔を出していた。ドウグラスも優位な展開で冷静にプレーできていた。対人で遅れを取っていたのは右サイドで野上が何度か振り切られたくらい。
28分、野崎からの中央のスルーパスに黒津が裏を取り、GKと1対1。わずかに先に触ったのが幸いしてラッキーなゴール。前半は終了間際に危ういシーンがあったものの、#18南の好セーブもあって無失点のまま終了。
後半は、まず栃木が強く出る。前半はFWが高い位置でボールを収めることが少なく、時折サイド深くへ大きな展開から攻めるくらいだったが、2点ビハインドもあってやや前がかり。横浜陣内でのプレーが長く続いた。
古巣対戦の#4荒堀は元気そう。横浜時代は右でのプレーだったが、左サイドでの仕掛けも目立っていた。#32近藤や#8廣瀬は低い位置でのプレーが多かったので助かった。阪倉監督のコメントにもあるように、この日の栃木はチームとしての元気がなかった。
21分、#13野崎→#8佐藤。ボランチに入り、#10寺田が一つ前へ。
何度かチャンスが続いた後の31分。小池の左からのクロスは黒津を越え、その向こうでフリーだった寺田がきれいに決めた。3-0。
43分、小池、寺田→ナソンス、カズ。
ソンスはドリブルで突っかけ、前線からチェイスして試合を締めた。ロスタイムにはCKからカズがヘディングシュートを放ったが惜しくもクロスバー。
そのまま3-0で試合終了。
9月6日以来7節ぶりの勝利。なかなか勝てない、内容も煮え切らない試合が続いていたのが嘘のような快勝だった。
攻撃では2得点の黒津。早い時間の先制点が何より大きかったが、それ以降も試合を通して、プレスバックで守備にも大いに貢献。守備では帰ってきたアンヨンハ。彼がいると試合が締まる。「闘う」姿勢を見せて、味方によい影響を与えられる替えの効かない選手。
次節からアウェイでの連戦だが、残り試合全勝するくらいでようやくプレーオフの目があるかというところなので、この日のようにとはいかないまでも、そこに近いプレーで湧かせてほしいところだ。
奥大介は、横浜FCでのプレーはJ1昇格した2007年の1シーズンのみで、彼自身のプレーは上手かったものの、何せチームの成績が成績だったので、そこまで強い印象はない。磐田にしろFマリにしろ、出て行くときは“円満”とは言えない形だったが、うちでもそれは同じで、だからその後にクラブのスタッフとなったときは驚いた。
イメージが大きく変わったのはその後。試合前、スーツ姿でピッチ脇を歩いているとき、スタンドからの声に満面の笑みで応えていて、その無邪気さと言おうか、サポーターととても近しい印象だった。
強化担当として今のチームに関わっていた部分は多いので、辞めるあたりでの色々はあったけれど、あの笑顔のせいで、外野の悪い声はどこか遠くで聞いていた部分はある。
ご冥福をお祈りします。ありがとう。