もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

havingの消費からbeingの消費へ

最近では書店に行くと、新書コーナーへまっしぐらだ。コンピュータ関連の技術書やスポーツ誌、マンガもまったく見ないわけではないが、手に取ってレジへ向かうのは圧倒的に新書が多い。今探しているのが、人の心に訴求する文章を書くためのハウツー本。
これが意外に少ない。例えばもう少し基礎的な、正しく伝わる文章の書き方――句読点の打ち方から始まるような――はあるのだが、読みたいのとは違う。せめてアイデアの助けになればと少し範囲を広げてみる。手に取ってパラ見し、興味をそそられたのがこれ。

ここでいう「買いたい!」も、自分が求めているものとそう遠くない感情だ、という無理やりな解釈。
著者は「オラクルひと・しくみ研究所代表」小阪裕司氏。副題「消費者の心と行動を読み解く」とあるように、購買行動をモデル化して図示して見せたり、流行りの脳科学方面から理系的に解説する内容は、理系頭の自分にはうまくはまった。わざと近視眼的な例を挙げたりしながらの説明も、ところどころユーモラスで疲れない。
買ったその足で喫茶店に寄って半分ほど読み、帰宅してから一気に読み終えた。特別に新しいことを言ってはいないと思うが、今の自分には頭を整理するのに役立った。
読み終えてから気付いた不満が一ヶ所だけ。それは本そのものではなく帯にある。
これは「こうすれば売れる!」というテクニック本ではない。著者は「はじめに」のなかで

第四章は、そのマーケティングメソッドについてお話する。――しかしお願いがある。そう言うとまずこの章から読みたくなってしまうかもしれないが、ぜひ順を追って読んで欲しい。

と書いているのだが、帯に書かれた文言は著者の意図を裏切って「その方法は128ページに!」「115ページを今すぐチェック!」と、まさにその第四章を指していて下品極まりない。買う前にこの帯を見ていたらページをめくらずに書棚に戻していたかもしれない。
もう少し「売らんかな」の要素が薄い本が読みたいのだが、不況不況不況で出版社にもそういう気概を求められない状況なのだろうか。また探してみようと思う。