もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

意地を見せて引き分け

ニッパツ三ツ沢にてサンフレッチェ広島戦。ぶっちぎり首位で感じの悪い広島相手では、心の底では「大量失点だけはかんべんしてくれ」という弱気だった。
最近の試合に比べてシュートも多く、伍した試合になった。結果は1-1だったが、追いついての引き分けだったこともあって満足感は高く、帰り道の足取りも軽かった。

ゆったりした雰囲気の試合前

昨日の夜あたりから変な汗をかいていて、出かける前にふと熱があるんじゃないかと気付いた。顔は赤くないからそうひどくはないと思う。ドリンク剤を飲んでごまかし、出発。ずっと雨に祟られていたから、雨具の心配がないのはうれしい。
スタジアム到着はいつもよりだいぶゆっくりで、キックオフ1時間前くらいだったろうか。ピッチ上では横浜FCサッカースクール生と横浜市神奈川区選抜の前座試合をやっていた。主にメイン・ホーム寄りの年長組の試合を見ていたが、スクール生はスペースを狙ったり逆サイドへ振ったりする組織プレイが目立ち、区選抜は飛び抜けた個人が持ち込んではシュートを放っていた。区選抜で良い子がいたらスカウトとかするのかしらん。

久しぶりに登場のF!リーダーズは、今日はメインスタンド前でダンス。まあそうだろうな。ハーフタイムには告知フラッグを持ってスタンドを一周していたが、やたら元気で微笑ましかった。

選手の入場をハイタッチで迎える列が、今日は何故かアウェイ側にも同じように並んでいる。へえ。アウェイ客にもそんなサービスしてたっけ?
で、ウォーミングアップ開始。ゴール後ろのピッチ脇にサポーターが並ぶ。そういえば年間チケットのポイントサービスにそんなのをやると言ってたっけ。アツのFK練習をあそこから見られるのはうらやましいな。ギャラリーに選手たちも遠慮したのか、枠を逸れてスタンドへ飛び込むボールがいつもよりだいぶ少なかったようだ。
久しぶりにベンチ入りした須藤の姿が。シュート練習ではポテンシャルの高さを感じた。キックはなかなか当たらないものの、当たるとすごい弾道で飛んでいく。持ってるじゃないか。
スタメン発表。

    池元 アンジー
アツ          カズ
    根占  智吉
太田 エリゼウ 八田  吉田
      小山

サイドハーフにベテランを配した布陣。「戦術的な理由」で外していたアツをあっさり戻したのは意外だった。サイドから個での勝負は望み薄で、矯めてサイドバックを使いたいところ。トップには池元を入れ、難波はベンチに。
選手紹介アナウンスでは、難波と久保がお互いのサポーターに大人気。難波にはまたアレをやってくれないかと実に不謹慎なことを期待する。
とはいえ、スアジアムにピリピリした感じは少なく、雰囲気はどこかまったりとしていた。

広島の質の高さと、横浜の思い切りの良さ

試合は概ね予想通りだが、横浜のがんばりがちょっと予想を上回るような展開。
広島は佐藤寿人や柏木が「よこせ」のジェスチャーをしながらDFラインを越えるランを何度も繰り返す。広島の最初のチャンスも佐藤寿人の飛び出しに後ろから縦パスが送られ、そのままシュートを打ったシーンだった。
佐藤のしつこさは今日も健在で、横浜のディフェンスラインは常にせかされていた。若い吉田と太田は危なっかしいバックパスでピンチを招いていた。
失点は10分。右サイドからのクロスに、ファーで佐藤寿人に詰められた。胸トラップはハンド臭かったが、審判に見える角度ではなかった。どちらにせよあそこでフリーにさせていた時点でDFの負けだった。
すぐに横浜の反撃。池元が唐突に放ったロングシュートは枠のわずか上。池元のこういう思い切りの良さは好きだ。
横浜の攻撃は、相手サイドバックの前あたりまではつないで運び、さてそこからというところでもう一つ工夫がない。いつもならバックパスでもう一度作り直すのだが、今日は思い切りよくアーリークロスを選択していた。それは割と効果的で、ヘディングで競り勝ちシュートを放つシーンも何度かあった。
広島のセンターDF・ストヤノフがドリブルで持ち上がるところを、何とか奪えないものか、奪えたらビッグチャンスなのだが、と見ていた。パスの判断が良く、なかなか難しい。
プレスがきついなか、中盤の底で智吉がうまく時間をつくってつないでいるのを見るのは楽しかった。
前半残り10分は広島ペース。怖いコーナーキックも何とかしのいで、前半は1点ビハインドで終了した。悪くない。

広島戦でまた、難波ゴラッソ

後半10分、カズに替わって難波。最初のプレーからヘディングでの競り合い。ヘディングで勝負できるので、横浜はロングキックやセットプレーでのターゲットができて試合を楽に運べるようになる。
14分、左からのフリーキック。アツが蹴ったボールはゴールへ向かう角度で飛び、キーパーの前で難波がバックヘッド気味に方向を変えてゴール!

難波が決めると盛り上がるが、相手が広島ということでいつも以上に盛り上がった。
その後は一進一退。まず勢いに乗って横浜が攻めるが、徐々に広島ペースになっていく。エリゼウの奮闘するシーンが目立ち始めるのは悪い兆候。
30分、ゴール前の競り合いから、難波の挑発にまんまと乗ったストヤノフイエローカード。いいよいいよ。
34分、アツに替えて滝澤。カウンターではボールテクニックで数的不利でも果敢に持ち上がる、滝澤らしいプレーが出る。本当はアツにもこういうのをやってほしいのだが。
35分、37分にアンジーが続けて警告を受けて退場。2枚目は明らかに間に合わないタイミングでのレイトチャージで、愚かなプレーだった。気持ちは分からないでもないが…。
数的不利とはいえ、欠いたのはFWなのだから守備の人数は足りているはずなのだが、更に広島に押し込まれる。チームのメンタルの弱さとは思いたくないが、そう疑ってしまう。
42分、智吉に替えて須藤。こんなに期待した須藤投入は記憶に無い。44分、広島も柏木に替えて久保。
そのまま試合終了。
横浜サポーターからは概ね好意的な反応が返された。相手が首位、1点ビハインドから追いつき、最後は数的不利になったのだから、そうだろう。「ホームで引き分け、負け同然」と言えるチーム状態ではないのはみんな自覚しているからとも言える。智吉と根占が肩を抱き合って満足げに引き上げていくのが印象的だった。
広島側はさしてショックもないようで、選手を暖かく迎えていた。フィニッシュ目前で焦りも無いのだろう。

広島を相手に意地を見せた

スタッツではシュート15-12、コーナーキックフリーキックでも上回り、試合をかなり優位に進めたことが分かる。意地を見せてくれたチーム、選手には感謝したい。
特に同点になってから、リスクをかけて攻める意思を見せてくれたのはうれしかった。たまにカウンターで危ない場面があっても、それはそれでいいのだ。むしろ同点で変に守備的な戦い方をされる方が気に入らない。
智吉のボランチ起用は、今日はじめて肯定的に見られた。確かにあのポジションで落ち着いてさばけるクレバーな選手は、今の横浜にはあまりいないようだ。
太田は後半に見せた強引なサイドの攻め上がりをもっと見たい。あれを活かすならもう一つ上のポジションで使ってみるのも面白いように思う。
佐藤への対応はじめ、ゲームの入り方で相手の動きを掴むまでに時間がかかること、それまでのしのぎ方が拙いことは、早い時間に失点する要因に思える。DFラインを破られる失点が目立つが、パスの出しどころへのプレスは総じて甘い。行っても一人で、パスコースを限定しても次が続かない。相手にアタックする守備が少なく、ラインを下げてしまう悪癖はピッチ全体で見られる。難波が入ると違うのはそこに尽きるのでは。
次節はアンジーが出場停止なので、2トップは難波と池元だろう。ただそうなるとベンチ入りする3人目が誰になるのかは楽しみ。思い切ってこれまで出番の少ないFWをスタメンで使ってみるというのも面白いが。
難波は広島サポーターの人気をまた上げてしまったろうな。