もっちーの日記

横浜FC観戦記、MacやPCのこと、ままならない日々のことをつらつらと。

俺が死ぬまで

酷かった。8失点。練習試合以下。あまりに易々と得点できて、相手はシュート練習にもならなかったろう。
新加入選手を思い切って使った大博打も、かけたリスクに見合うリターンは得られなかった。中断期間明け、ダービー。タイミングとしては「変えるチャンス」だったが、逆に引導を渡された感じだ。選手を変えても変わらないのなら選択肢は一つだが、やるなら中断前だったろう。もう遅い。
これからもスタジアムでそんなのはおくびにも出すつもりはないが、胸のなかではもう覚悟ができた。

稚拙な煽りは今日も健在

これまで試合には「ホーム」と「アウェイ」という二つの分け方しかないと思っていたけれど、この数日間、それとは別の「ダービー」という分け方が必要なのだと強く感じてきた。今回は相手の主催ゲームだけれど、引き分けOKなんて気持ちはまったくなかった。川崎や湘南との「神奈川ダービー」では感じたことのない、これは新しい発見だった。
試合に対しては期待10割、不安ゼロ。入れ込み過ぎて理性的な判断ができなかった。中断期間での新加入選手が多く、スタメンがまったく読めないこともその一因だった。特にピッチの中央でプレーする選手のチョイスがわからないので、チームとしての戦い方も予想し辛かった。予想できないから、楽観的に良い方に解釈しているのだった。
家を出る直前、クラブからレターが届いているのに気付いたが、時間がなく読まずに出掛けた。
ここ最近は小机駅から行くことが多かったが、今回は久しぶりに新横浜から徒歩で向かった。新横浜駅が工事中なのかやたら入り組んでいて分かり辛く、駅から出てしまえば勝手知ったる道だが、とにかく暑かった。マイ扇子を持って来たのは大正解。
スタジアム到着は開門時間の16時からだいぶ過ぎていて、アウェイ応援エリアは既にかなりの混雑だった。前から十列目くらいに空席をみつけて腰掛ける。買ったサンドイッチには山瀬のカードが入っていた。食べ終わった箱といっしょに捨てる。
前座試合としてお互いのジュニアユースの対戦が行われた。事前に知らなかったので驚きつつも、心底楽しんで観戦した。普段この年代のサッカーを見ることはないから、その上手さに終始驚きっぱなしだった。右サイドバックと左ウイングの選手が特に目を引いた。チームとしては相手の方がかなり格上のような記憶を持っていたが、どうしてどうして、試合のペースを掴んでいるのはうちの方。0-0で終わったが、とても満足した。選手たちもゴール裏まであいさつに来てくれた。子どもらしい仕草も垣間見えた。
残念だったのは、その試合中であるにも関わらず、試合を無視するような形でチームバスの到着を伝えるアナウンスを入れた、試合運営の失礼さ、手際の悪さだった。周りではみんな「試合中だぞ」と怒りを露にしていた。あちらのサポーターの中には、それに乗っかって嬌声を上げているのもいて唖然とした。戦っているのはおたくらのジュニアユースだぞ?
残念の2。オーロラビジョンに映し出されたtvkのキックオフなんたらの番宣インタビュー、元フリューゲルスの吉田と大島の挑発的な発言。あれは無意識か、それともわざと煽っていたのだろうか? どちらにせよ悲しい。うちのバックグラウンドを意識して二人を選考した担当者も糞だが、それに乗っかった二人の心根も糞だ。大分や山形で対戦したときも、心のどこかでは嫌えない選手だったけれど、これでもうきっぱりと心の整理が付いた。
アウェイサポを楽しませる義務はないけれど、Fマリ側の一連の行動には、あからさまにこちらを不快にさせようとする意図が見えるのが呆れる。日産はどこまでいってもあの時のままか。
残念の3。煽られるのが分かりながらわざわざ緩衝帯ぎりぎりに陣取った10数人ほどのFマリサポーター。シミスポに指示されて場所を移動させられていたけれど、問題の種になりかねないことを自ら進んでやってくるあたりが何とも恥ずかしい。
「最後のダービー」ポスターをはじめとして、ウィットに欠ける子どもじみた煽りのオンパレードだったFマリの姿勢は、今日も一貫していた。選手、フロント、サポーター、確かに団結しているようだが、そういう方向には団結したくないものだね。
今日のイベントの中で唯一心が和んだのは、チアリーダーのお姉さんのあいさつ。その年齢(46歳!)を耳にして思わず応援したくなってしまったのは内緒だ。実際、ぜんぜん若くてきれいだったしね。
Jリーグ記録、いやさ国内サッカー観戦記録を打ち立てるかも、なんて喧伝された入場者数は、結果53,916人。うち近くの商店街にも無料チケットが配られていたそうだし、びっくりするような数にはならなかった。その内情もあちらのスポンサーによる子どもの動員が多く、ダービーだから入場者が多かったわけでもなかったし、スタジアムの雰囲気もぬるかった。

目を覆う惨状

スタメンメール受信。

    平本  難波
滝澤  パウロ ボムソク 奥
和田  太田  早川  山田
      菅野

新加入して日も浅いパウロとボムソクを組ませて中央に配置。周りは中断前と変わらないとはいえ、大きくいじってきた印象だ。おっかなびっくりながら期待感も抱いたのは、二人の肩書きに他ならない。方や元セレソン。方や韓国代表。無理もないだろう?
恒例、中田市長のあいさつ。Fマリサポは終始ブーイング。そこまで根に持つこともないと思うのだが執拗だ。
新しいチャントが出来ていたので、歌詞カードを見ながら必死に覚える。今回のは割と覚えやすかった。旗を使ったマスゲームで選手を迎え、試合開始。
Fマリが優勢。サイドを使っての攻撃に対して反応が鈍く、裏へ飛び出してくる選手を捕まえられない。
サイドの仕掛けにサイドバックがつくところへ、センターバックとの間へ別の選手に飛び込まれ、そこへスルーパスを通される。深くえぐられクロス、というのが毎度毎度やられるパターン。ボランチのカバーが弱い。このパターンでしっかり付けるのはヨンデだけのような気がする。次いで山口か。幸い相手FWのシュートが枠に飛ばず、何度も助けられる。
ときおりカウンターで反撃。
パウロは預ければ何とかさばいてくれるテクニックがあり、そこで時間をつくって攻撃を組み立てることができそうだった。周りとのコンビはないなりに上手く繋ぐ、さすが。
それまでは何とか試合の体裁を保っていたが、失点はあっけなかった。30分。左サイドからのクロスはゴールキーパーへのイージーボール。それを菅野がまさかのファンブル。相手FWの頭上にこぼれ、容易く押し込まれた。あり得ないミスからの失点でチームの動揺は明らかだった。これまでの貢献度を考えれば菅野を責める気持ちは少なかったが、よりによってここでやるか。
菅野のミスを取り戻そうと、他の選手がそれまで以上にファイトしてくれるのを期待したのだが。
前半残りわずかで難波が負傷。ピッチを出る。明らかに重傷で、交替選手を入れるにしても時間がかかるのは予想できたはずだが、数的不利から安全策を取るでもなく普通にプレーしてしまう。クリアボールを拾われ、ゴール正面からシュートを打たれる。0-2。
前回のダービーでは、うちの老獪さが相手の若さを上回った。試合の流れを読める選手が、今日は少ない。
うちで一番ファイトできる難波が、ここでヨンチョルに交替。ヨンチョルは練習試合で好調のようだったので、何かやってくれるのを期待した。プレーは悪くなく、前へ向かう気持ちは見えた。
だが、後半早々に更に加点され、試合は決まった。あとは虐殺ショー。気持ちに余裕のあるFマリの選手が放つシュートは、無駄な力が入っていなくて、まあどれもこれもいいコースに飛ぶこと。守備は完全に切れてしまい、フリーで打たれまくる。一対一でがんばっている姿は垣間見えるものの、二人目の動きにはまったく対応出来ない。楔にダイレクトプレーを混ぜられたりしたらもうお手上げ状態。気持ちよくやっている相手にはチームとして対応できていなけりゃ、どうしようもない。
4失点目で怒りはピークだったが、5点目で気持ちは吹っ切れてしまった。6点目。7点目。無意識で強く叩き過ぎた手拍子のせいで手が痺れているのに気付く。手首が痛い。喉は枯れているわけではないが、どうにも声が出ない。
相手が流している時間帯に1点返す。決めたのは平本らしかったが、目では見ているのに脳は無視しているようで、いったいどんなプレーだったのか覚えていない。取り敢えず周りに合わせて声を上げ、近くの人とハイタッチなんかしてみたのだけれど、心ここに有らずというか。
その後更に失点。クロスにファーでまたどフリー。鮮やかなボレー。
おお横浜 おお横浜 俺と行こうぜ
おお横浜 おお横浜 果てしなき道
おお横浜 おお横浜 友よ行こうぜ
おお横浜 おお横浜 俺が死ぬまで
試合終了。煽るのが生き甲斐のような連中が、煽るのも忘れて喜んでいるのは、微笑ましくもあった。
選手たちがあいさつにくる。かなりショックを受けているようだった。菅野はまた深く頭を下げていた。

横浜FCができる戦い方は?

さんざん小馬鹿にされた挙げ句、相手の望む以上の結果を差し出してしまったことは口惜しい。ダービーでこんな惨敗なんてあり得ない!…ともっと怒りに満ち満ちてもいいはずだが、正直な気持ちとしては、もうあちらに構っている場合じゃないよな、というところに落ち着いた。冷静に、勝ち点ゼロだったことにこそ失望している。勝ち点がゼロなら、0-1も1-8もいっしょだ。自慢できる話ではないが、うちのサポーターは大敗には免疫が出来ている。
むしろ心配なのは選手たちだ。ここ数年でかなりの選手が入れ替わった。ここまでの大敗は人生で初めてという人もいるんじゃないか。ひきずらなければいいが。
ともかく、次からの試合に向かわないといけない。中三日しかないのだ。
ボランチの起用をみるに、これまでの悪い流れを何とか変えたい監督の気持ちは分からないでもない。限られた時間の中でできることは、選手を替えることぐらいだというのも分かる。残留するためには、勝ち点1ではなく勝ち点3が必要なのだということも、分かる。
でもうちが3-2や4-3で勝てるとは、到底思えない。
ボランチを補強したのは、攻撃のためではなく、ポゼッションを高めることと、バイタルエリアでの守備を安定させることが狙いだと思っていた。あそこで失って失点するのが本当に多かったから。ところが新聞を読んだら「ボランチを起点にして攻撃を組み立てたい」というのはあったけれど、守備の立て直しについての言及はなかった。記者は監督が言いたいポイントを掴んで記事にしているはずで、だとしたら攻撃の駒として重視しているということだ。そうなの? 1-2で負けたのは、3点取れなかったことが敗因だと?
うちの持ち味は守備だ。チームの歴史を見れば、守備的だったのは去年1シーズンだけだけれど、今J1にいるのはその1シーズンのもたらした結果だ。アレモンが得点しまくったのは、アレモンの力だ。チームとしての攻撃力が高まったわけじゃなかった。城とカズで前から追い回すのがベースだった。
今のうちが勝ち点を取るために一番必要なのは、相手を無失点で抑えることだ。去年のはじめと同じように。前年の不調をひきずったままオフも苦しみ、愛媛に敗れ、監督交替したあのときの自信の無さと同じように。無失点で抑え、無失点で抑え、無失点で抑えて、自信を取り戻すことだ。一点取られただけでふにゃふにゃになってしまう弱ったメンタルを鍛え直すことだ。
にかほのキャンプである程度やってくれてるんじゃないかと期待していたが、そんな形跡すらみえなかった。
もう遅すぎる。
続く2戦はともに三ツ沢で、リーグ屈指の攻撃的なサッカーをする、甲府、ガンバとの連戦だ。それでも打ち合って勝つというなら、やってもらおうじゃないの。もぎ取ってみろよ。
それができなけりゃ、終わりだ。